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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(3)
妊娠後期に重症化した潰瘍性大腸炎合併妊娠の1例


飯塚 裕子, 渡辺 慎一郎, 八尾 陽一郎, 高野 博子, 大路 斐子, 宗 晶子, 片桐 由起子, 前村 俊満, 竹下 直樹, 間崎 和夫, 田中 政信, 森田 峰人
東邦大学医療センター大森病院産婦人科


 潰瘍性大腸炎(以下UC)は臨床的に粘血便を主徴とし,多くの症例で寛解,再燃を繰り返して慢性的に経過する.妊娠によってUCが発症,再燃あるいは増悪し妊娠の継続が困難となる例がある一方,順調に妊娠が経過し出産にいたる例も多い.今回我々は,6年間UCの治療が行なわれ,再燃した直後に妊娠し,妊娠後期に重症化した1例を経験したので報告する.症例は31歳,0回経妊.24歳時に全大腸炎型UCを発症し,近医にて約5年間プレドニゾロン内服による治療が行われ転居のため当院消化器センターを受診した.症状が安定していたためプレドニゾロンを徐々に漸減し,平成18年1月に中止,その後サラゾスルファピリジン(以下SASP)の投与が行なわれた.8月上旬に血便を認め,大腸内視鏡検査の結果,直腸炎型の再燃と診断された直後に無月経となり,9月下旬当科初診,妊娠5週と診断された.その後はUCに対してSASPで管理され妊娠経過は順調であった.しかし妊娠32週時に水様性下痢と腹痛が発症したため,入院管理となった.UCの治療としてはSASPの増量,経腸成分栄養剤,その後クローン食が開始され,産科的には切迫早産の管理を行なった.しかし下痢・排便回数増量などの症状は改善せず,注射用プレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム静注を開始したところ徐々に症状の改善を認め,妊娠37週に症状が安定したため退院した.妊娠40週で自然陣痛が発来し,2730g,Apgar score 8点(1分後),9点(5分後)の女児を経腟分娩した.母児共に経過良好で分娩後5日目に退院した.UC合併妊娠の管理について,今回の症例での経験を含めて文献的考察を加えて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 270-270, 2007


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