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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(4)
MRSAとの関連が示唆された敗血症性ショックを呈した産褥熱の1例


阿美 寛人, 島村 京子, 亀田 高志, 鏡 一成, 深石 孝夫
桐生厚生総合病院産婦人科


 分娩後24時間以降10日以内に2日間以上にわたって38度以上の発熱をきたす病態を産褥熱と定義されている.今回我々は産褥3日目より40度以上の発熱が出現し,敗血症性ショックを呈し,膣分泌物よりMRSAが検出された症例を経験したので報告する.(症例)27歳,初産婦.妊娠41週6日,予定日超過のため近医より当科紹介受診され,同日当科入院.メトロイリンテル挿入(約8時間後抜去)及びオキシトシン点滴静注実施して誘発3日目,42週3日にて吸引分娩により3572gの男児を娩出した.分娩直後から2日目までは経過良好であったが産褥3日目40度台の発熱が出現.血圧70/30と低下,頻脈,乏尿,全身性紅斑が出現した.血液検査では白血球26400,CRP 14mg/dLと著明な上昇を認めた.敗血症性ショックを疑いICU入室,ドーパミン,アンチトロンビンIII,ヘパリン,メシル酸ガベキセート,抗生剤(メロペネム),γグロブリンを逐次投与.血液培養では細菌検出されず,血中エンドトキシン陰性であった.子宮には通常の産褥所見以外認めなかったが,膣培養よりMRSAが検出され,産褥5日目よりバンコマイシンを開始した.その後全身状態,諸データ改善し,産褥11日目にICUより当科病棟へ帰室.その後も著変なく産褥21日目に退院となった.(考察)MRSAによる子宮内感染は局所所見に乏しく,DIC,多臓器不全に移行しやすいといわれている.本例では正常分娩後経過順調であったところ敗血症性ショックに陥り,急激に変化する所見に対し迅速・柔軟な対処が重要と思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 274-274, 2007


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