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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(6)
産褥3日目に一過性脳虚血発作を呈しもやもや病と診断された一例


松岡 美杉, 宮越 敬, 岸見 有紗, 森定 徹, 西村 修, 矢久保 和美, 福井谷 達郎
さいたま市立病院周産期母子医療センター


 【緒言】もやもや病(Willis動脈輪閉塞症)は,本邦を含む東洋人の若年女性に好発するため妊娠合併例の報告が散見される.初発症状として,小児期は一過性脳虚血発作が,若年から中年期では脳出血が多いとされている.今回我々は,妊娠高血圧症候群および常位胎盤早期剥離による緊急帝王切開分娩後,産褥早期に構音障害と左不全麻痺を契機に発見されたもやもや病の一例を経験したので報告する.【症例】36歳女性,2経妊1経産.第1子は児頭骨盤不均衡のため帝王切開分娩に至るも妊娠産褥経過は良好であった.今回自然妊娠成立後,妊娠初期より血圧の上昇を認め,自宅で自己血圧測定を指示していた.妊娠31週3日の健診時に胎動減少を訴え,経腹超音波断層法と胎児心拍数モニタリングにて胎盤早期剥離と診断し,緊急帝王切開にて女児(1476g)の娩出に至った.児は重症新生児仮死のため出生後直ちに蘇生を要しNICU管理となった.分娩後には硫酸マグネシウム投与を継続し,降圧剤としてCa拮抗薬を併用した.産褥3日目,構音障害と軽度の左不全麻痺が出現し,頭部MRI・CT検査にて陳旧性脳梗塞・脳虚血の所見を認め,MRA検査ではもやもや病を示唆する所見を得た.直ちに血小板凝集抑制薬・浸透圧利尿薬の投与を開始したところ,徐々に神経症状は改善し産褥8日目に退院となった.産褥経過は概ね良好であり,脳血管造影にてもやもや病と確定診断し神経内科に通院中である.【考察】本症例では,妊娠高血圧症候群を発症し,産褥期の血圧変動によりもやもや病の症状が顕著化したものと考えられる.一過性脳虚血発作を呈した時点での速やかな診断加療により神経症状の重篤化を防ぐことができ,良好な経過をたどった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 279-279, 2007


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