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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
悪性卵巣腫瘍(2)
成熟奇形腫にpapillary carcinomaを認めた一例


宮国 泰香1), 西原 沙織1), 國井 優衣子1), 山田 由季1), 加塚 有紀1), 金田 容秀1), 須賀 新1), 寺尾 泰久1), 荻島 大貴1), 竹田 省1), 井上 大地2), 島田 信敬2)
順天堂大学産婦人科1), きよせの森総合病院2)


 成熟奇形腫は卵巣腫瘍の10〜20%と比較的多く発生し,若い女性に多い良性の卵巣腫瘍である.成熟奇形腫は二〜三胚葉性の成熟した組織からなるものをいう.さらに,腫瘍の大部分が甲状腺組織よりなるか,肉眼的に甲状腺を含むことが認められる奇形腫をstruma ovariiといい,奇形腫の約2%とされている.このうち,悪性成分を含むものをmalignant stroma ovariiといい,struma ovariiの5〜10%,全卵巣腫瘍の0.01%と非常に稀な疾患である.このため,malignant struma ovariiの予後や治療に関しては様々な報告があり,わからないことも多い.今回,我々は妊娠にて発見された卵巣嚢腫を帝王切開時に摘出し,成熟奇形腫の甲状腺成分の悪性転化と考えられるpapillary carcinomaを含む症例を経験したので,文献的考察を含め報告する.症例は29歳,0経妊0経産,最終月経不明.前医にて6cm大の右卵巣嚢腫を指摘され,妊娠13週に造影MRIを施行.脂肪成分を多く含む類皮嚢腫との診断にて経過観察中であった.腫瘍マーカーはCA125が38.9U/mlと軽度上昇しているほかは,SCC,CEA,CA19-9は正常であった.妊娠26週に帰省分娩のためきよせの森総合病院を受診.その後の妊娠経過に異常なかったが,妊娠41週4日に分娩停止にて腹式帝王切開を施行となった.術中,黄色の腹水を少量認め,右卵巣は約6cm大に腫大していた.被膜破綻は認めず,嚢腫摘出術を施行した.病理組織検査にて皮膚,皮膚付属器,脂肪,軟骨,骨,骨髄,甲状腺組織よりなるmature cystic tertomaを認め,mature cystic teratomaの甲状腺成分から発生したpapillary carcinomaに相当する像を認めた.その後,追加治療は行わず,経過観察中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 309-309, 2007


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