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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
悪性腫瘍・その他(3)
境界悪性傍卵巣腫瘍の一例


矢作 奈美子1), 大熊 克彰1), 水原 浩1), 栗林 靖1), 相田 芳夫2), 石塚 文平3)
川崎市立多摩病院産婦人科1), 川崎市立多摩病院病理2), 聖マリアンナ医科大学病院産婦人科3)


 傍卵巣腫瘍は付属器腫瘍の10〜20%に見られ,臨床で遭遇する頻度は比較的多い.今回,我々は腹腔鏡下手術で摘出し,術後病理検査にて境界悪性と診断された傍卵巣腫瘍の一例を経験したので報告する.症例は,31歳,1経妊1経産.平成17年5月前医にて卵巣嚢腫を指摘され,平成18年6月まで経過観察していた.卵巣嚢腫手術および不妊症精査目的に平成19年3月当院紹介受診となった.子宮頚腟部細胞診はclassI,腫瘍マーカーは正常値であり,経膣超音波検査およびMRI検査より左卵巣チョコレート嚢腫と診断し,平成19年6月腹腔鏡下手術を施行.術中,左右卵巣は正常であり,左卵管付近より発生した傍卵巣腫瘍を摘出した.腹腔内での破裂はなく,腫瘍内容は淡黄色から褐色,漿液性であった.卵管通過性も両側良好であった.腹水細胞診はclassII,腫瘍内容の細胞診はclassIIIであった.摘出病理所見は嚢胞内に6×5mmの乳頭状構造を呈する病変を認め,一部で比較的構造異型や細胞異型が目立ち,石灰化も伴っていた.腫瘍内には明らかな浸潤像が認められないことより,漿液性嚢胞腺腫境界悪性と診断した.術後経過は良好,現在外来で経過観察中である.傍卵巣腫瘍の発生起源は中腎管,中腎傍管,時に中皮起源であり,卵管・卵巣周囲に発生するため,術前の画像診断では卵巣腫瘍との鑑別は困難であることが多い.そのほとんどが良性であり,境界悪性の報告例は少ない.また,傍卵巣腫瘍は卵巣腫瘍の診断基準に基づいて診断がなされており,術前に良性腫瘍と診断された症例であっても,卵巣腫瘍と同様に慎重な取り扱いが重要と考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 326-326, 2007


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