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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
子宮筋腫
卵巣腫瘍と術前診断した巨大嚢胞性子宮腺筋症の一例


朝比奈 はるか, 水竹 佐知子, 斎藤 麻紀, 宮本 純孝, 中村 学, 富田 初男, 安藤 昭彦
さいたま赤十字病院産婦人科


 子宮嚢胞性疾患は非常にまれな疾患であり,全子宮腫瘍の0.35%といわれている.中でも特に,嚢胞性子宮腺筋症は極めてまれである.今回我々は,卵巣腫瘍と術前診断した巨大嚢胞性子宮腺筋症の一例を経験したため報告する.症例は44歳女性,0回経妊.卵巣子宮内膜症性嚢胞摘出術の既往あり.平成19年4月に右下腹部痛あり前医受診,骨盤内腫瘍を指摘され,精査目的に当科紹介受診となった.経膣超音波にて多発子宮筋腫と下腹部右側に径20cm大の腫瘤あり.右卵巣描出されず,左卵巣正常大であることから右卵巣腫瘍を疑い,MRIを施行.壁の厚い嚢胞性腫瘤で悪性卵巣腫瘍が疑われた.腫瘍マーカーはCA125が71.5と軽度高値を示した.開腹したところ,表面平滑な成人頭大の腫瘤が下腹部を占拠していた.腫瘤と周囲組織及び子宮後面とダグラス窩の癒着が強かった.子宮後壁との癒着をはがしていくにつれ右卵巣が明らかとなり,腫瘤は子宮底部より茎をもって発生していることが判明した.茎部を切断し腫瘤を摘出.腫瘍内容はうすいチョコレート様の液体で,割面は小さな嚢胞と白色線維性組織で占められていた.術中迅速病理診断にて腫瘍は嚢胞性子宮腺筋症と診断されたため,左付属器を温存し右付属器切除と子宮全摘術を施行した.剥離に困難をきたし,出血量は一部腫瘍内容液を含め2340mlであった.嚢胞性子宮腺筋症は報告も少なく,術前診断の際に画像診断で本疾患と卵巣腫瘍を区別するのは極めて困難である.今後は,巨大卵巣腫瘍が疑われる症例では本疾患も念頭におくべきと思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 327-327, 2007


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