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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
感染症
Clostridium perfringens子宮内感染にて急激な経過をたどった子宮体癌の1例


平石 光, 安部 和子, 鹿沼 史子, 伊吹 令二, 矢崎 千秋
公立富岡総合病院産婦人科


 Clostridium perfringens(C.perfringens)は稀な感染症であるが,白血病,糖尿病,悪性腫瘍などの基礎疾患を有している患者にみられることがあり,ガス壊疽の原因菌として知られている.今回我々は腰痛と不正出血を主訴に来院し数時間後には死亡したC.perfringens感染症を伴う子宮体癌の症例を経験したので報告する.症例40歳,未婚0経妊.性交経験なし.既往歴・家族歴に特になし.2ヶ月前からの不正性器出血と肉芽様の排出物が繰り返し出ており近医受診し子宮筋腫を指摘されて,子宮内膜および頚部の細胞診で異常なく,近日の子宮内膜組織検査を勧められていた.急激な腰痛で鎮痛剤内服したが改善せず当院救急外来受診.腰椎レントゲン異常なく,鎮痛坐薬処方にて帰宅.腰痛改善せず下腹痛・性器出血あるため同日午後当科受診.子宮は超新生児頭大に腫大し,出血中等量.AST,ALT,LDH,γGTPは正常.T-Bil 6.4 mg/dl,I-Bil 5.9mg/dl,CA125 77U/ml.体温37℃,WBC 22300/ml,CRP 1.0mg/dl,入院PIPC点滴.入院後2時間で肉芽様子宮内容物自然排出あり.解熱鎮痛薬点滴にて疼痛改善ないため緊急CT施行.帰室時には嘔吐および泡沫状の多量の喀血があり,その直後急激に意識消失を認め,心肺停止状態のためCPRを実施しICUに転棟.心肺蘇生効果なく永眠.病理解剖は家族の同意が得られず.CTでは子宮筋層にガス像を伴う変性した部位がみられ,腹腔内に極少量のfree airと右尿管内ガスを認めた.血液培養でC.perfringensを検出.子宮内容物の病理診断は類内膜線癌(G3 or G2).以上より,子宮内膜癌がもとでC.perfringensの感染が起こり,敗血症,ガス産生により急激に状態が悪化した症例と考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 334-334, 2007


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