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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
血栓塞栓症
肺血栓塞栓症を合併した卵巣癌の抗凝固療法中 Heparin-Induced Thrombocytopeniaをきたした1例


家坂 直子, 平川 隆史, 村田 和美, 青木 宏, 中村 和人, 鹿沼 達哉, 峯岸 敬
群馬大学産婦人科


 Heparin-induced Thrombocytopenia(ヘパリン起因性血小板減少症,以下HIT)はヘパリン投与による免疫機構の活性化によって血小板減少が惹起される病態であり,その概念が認知されるようになったのは最近のことである.ヘパリンを使用した抗凝固療法を施行する頻度は年々増加しており,婦人科領域においてもHITに関する症例報告が散見されるようになっている.今回我々は未分画ヘパリンを使用中にHITを併発した卵巣癌症例を経験したので報告する.症例は57歳,0経妊0経産.他院での婦人科検診で卵巣腫瘍疑われ,精査目的に当科紹介となった.MRI上12cm大の一部充実性部位を含む多房性腫瘤を認め,卵巣癌が疑われた.手術待機中に右下肢の疼痛出現し,CTにて肺血栓塞栓症を認めたため入院,未分画ヘパリンを使用した抗凝固療法を術前に6日間施行した.単純子宮全摘術・両側付属器切除術・骨盤内傍大動脈部リンパ節郭清・大網切除を施行,病理組織検査より明細胞腺癌,pT3bN1M0,StageIIIcと診断された.術翌日より未分画ヘパリンの使用を再開した.術後7日目,血液検査にて血小板数3.5万/μlと著明な減少を認めたため,HITの可能性を考慮し,未分画ヘパリンの使用を中止,抗トロンビン薬投与開始した.その後徐々に血小板数増加し,10日後には発症前値まで回復した.後日抗ヘパリンPF4複合体抗体陽性が確認された.HITは早期診断することにより重症化を回避し得るが,動静脈血栓症を併発した場合致死的な合併症となりうる.ヘパリン使用時の副作用として常に念頭において診療にあたる必要があると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 136-136, 2008


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