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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
血栓塞栓症
当院における術後血栓塞栓症予知の試み


東口 敦司, 福田 良夫, 古市 正和, 伊東 正昭
稲城市立病院産婦人科


 【目的】深部静脈血栓症および肺動脈塞栓症は,骨盤内手術後に注意すべき合併症の一つである.フットポンプや弾性ストッキングの装着,抗凝固療法などが普及し,発生頻度は減少傾向にあるものの完全にコントロールされているとは言い難い.当院では平成17年4月より術後初回歩行前の下肢周囲径計測を導入して血栓塞栓症の発症予測を試みている.若干の考察を加え,成績を報告する.【方法】平成17年4月より平成20年3月までに当院で全身または腰椎麻酔下に行われた開腹,腹腔鏡下および経膣手術症例1176例(うち悪性腫瘍手術23例)を対象とし,インフォームドコンセントを得て術前後に左右の大腿および下腿径の変化を計測するとともに触診により下肢の圧痛の有無を調べ,下肢痛や胸痛,呼吸苦症状などに関する問診を行った.Body Mass Index(BMI)が26を超える症例については,手術直後よりヘパリンカルシウム5000単位を8時間毎に3回皮下投与した.【成績】対象症例のBMIは23.7±3.9,出血量は657±548g,手術時間は62.6±32.8分であった.血栓塞栓症を認めなかった症例において,術前と比べた術後の大腿周囲径および下腿周囲径はそれぞれ−1.25±1.44cm,−1.37±1.30cmと縮小していた.一方,術後血栓塞栓症を生じた4症例では大腿,下腿周囲径共に増大傾向を認めた.【結論】本件の結果は下肢周囲径計測により術後初回歩行前に深部静脈血栓症をスクリーニングし得る可能性を示唆した.血栓塞栓症の高リスクである悪性腫瘍手術例のみならず,良性疾患においても普遍的に応用可能であること,低コストで簡便であることから今後も深部静脈血栓症のスクリーニングテストとして検討すべきと考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 137-137, 2008


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