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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
産科出血I
常位胎盤早期剥離に至った子宮腺筋症合併妊娠の1例


石川 智則, 鳥羽 三佳代, 石橋 智子, 宮坂 尚幸, 久保田 俊郎
東京医科歯科大学周産・女性診療科


 子宮腺筋症は40歳代の女性に好発する疾患であるが,結婚年齢の上昇や不妊治療の発展により高齢妊娠例が増加し,腺筋症合併妊娠も増加すると考えられる.今回我々は子宮腺筋症合併した満期の妊婦に常位胎盤早期剥離(早剥)を生じた症例を経験したので報告する.症例は,40歳の未経妊の女性で約2年間の不妊のため当院を受診した.6年前より子宮腺筋症・子宮内膜症と診断され,鎮痛剤やGnRHagonistの投与を受けていた.子宮は超鵞卵大に腫大しダグラス窩に有痛性の硬結を触知した.経腟超音波検査とMRIでは子宮後壁が4cmに肥厚しており腫瘤形成性の子宮腺筋症と診断した.子宮卵管造影にて異常を認めなかったために,タイミング指導していたところ自然妊娠した.胎盤は子宮後壁の腺筋症病巣の直上に付着しており慎重に経過を観察していた.妊娠25週より規則的な子宮収縮を認めたが塩酸リトドリンの持続点滴でコントロールされ妊娠36週に至ったためリトドリンの投与を中止した.その後に子宮収縮が増加し,自然破水とともに持続する性器出血を認めた.CTGはreassuring patternであったが,超音波検査にて早剥が疑われ,緊急帝王切開を行った.胎盤後血腫を認め,早剥と診断した.児は一過性多呼吸を認めたが軽快し,母児ともに産褥経過は良好であった.子宮腺筋症合併妊娠例では胎盤付着部と腺筋症病巣の関係を十分に評価し,腺筋症病巣に胎盤付着部が一致している場合には早剥の発生に十分に留意し陣痛発来前の帝王切開も考慮した周産期管理をすべきである.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 137-137, 2008


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