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<< 学会誌へ戻る 常位胎盤早期剥離で子宮内胎児死亡に至った症例については，本邦では緊急帝王切開が行われることが多い．一方，欧米の文献においては凝固能の回復を待ちながらの経腟分娩が推奨されている．今回我々は，常位胎盤早期剥離・子宮内胎児死亡でDICに至っていた症例に対して，分娩誘発を行い経腟分娩に至ったが，その後大量出血し子宮破裂と診断された1例を経験したので報告する．患者は35歳2経妊1経産，自然妊娠し35週までの妊娠経過は順調であった．35週2日に突然の腹痛で近医受診し，常位胎盤早期剥離・子宮内胎児死亡と診断され，当院に母体搬送となった．経腹超音波にて径約10cmの血腫を子宮内に認めた．血液データ上DICが著明であり，すぐの帝王切開は危険と判断．輸血等にて抗DIC治療を開始，DIC改善した時点で経腟分娩/帝王切開のどちらにも対応できるよう子宮頸管拡張も施行していた．オキシトシンで分娩誘発を行い，進行が順調でない場合は帝王切開を行う方針でいたところ，急激に進行し，当院到着約6時間後，35週3日で死産に至った．分娩後，子宮からの強出血をみとめた．双手圧迫および子宮収縮剤の局注にても，7000mlを超える出血が続いたため，弛緩出血の診断で子宮摘出目的に緊急開腹手術を施行した．右後腹膜の血腫および子宮右側壁〜頸管にかけての子宮筋層および腟壁の断裂をみとめ，子宮破裂と診断．腹式単純子宮全摘術を施行した．術後経過は良好で，DICも術当日には軽快．術後9日目に退院となった． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 138-138, 2008 |
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