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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥III
先天性無フィブリノーゲン血症患者の妊娠分娩管理


山崎 智子1), 高田 佳世子1), 安立 匡志1), 村松 彗子1), 平井 久也1), 竹内 欽哉1), 木村 聡2), 鈴木 一有2), 杉村 基2), 小林 隆夫3), 金山 尚裕1)
浜松医科大学産婦人科1), 浜松医科大学周産母子センター2), 信州大学保健学科3)


 【目的】フィブリノーゲン(以下FGと略す)は血液凝固過程の最終段階に働く因子である.無フィブリノーゲン血症では,補充療法なしでは必ず流産となる.今回我々は,当院での4症例5分娩の経験をもとに無フィブリノーゲン血症および低または異常フィブリノーゲン血症の患者の妊娠,分娩管理方針を確立することを目的とした.【方法】当院で経験した先天性無フィブリノーゲン血症患者の4症例5分娩のFG補充療法と妊娠・分娩経過を検討した.【成績】妊娠は,FG補充なしでも成立する.よってFGは排卵や着床には必須ではない.初期妊娠の維持に関しては,妊娠4週頃までは無症状であるが,5週以降はFG補充療法しなければ出血し,6〜8週で流産となる.妊娠中期以降の維持に関しては,血中FG値60mg/dlであればほとんどの場合出血しないが,妊娠が経過するにつれ,また切迫早産や感染症が起こるとFG消費量が亢進するので,100mg/dl以上に保つことが望ましい.分娩に関しては,陣痛発来時には,少なくとも150mg/dl以上,できれば200mg/dl以上に保つことが常位胎盤早期剥離を予防できる安全域と考えられる.帝王切開に関しても同等の値で十分であるが,FGの持続点滴を行いながら望むことが肝要である.産褥はFG補充量を急減しても通常異常出血は認められない.【結論】我々は先天性無フィブリノーゲン血症患者の流産,選択的帝王切開,常位胎盤早期剥離(緊急帝王切開),経腟分娩を経験することによって先天性無フィブリノーゲン血症患者の妊娠・分娩管理を確立することができた.尚,今回新たな症例が,分娩予定日を平成20年5月11日として管理中であるので併せて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 143-143, 2008


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