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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍[2]
卵巣原発ミュラー管性腺肉腫(Mullerian adenosarcoma)の一例


高橋 絵理1), 柳田 聡1), 清川 貴子2), 大黒 信依1), 矢内原 臨1), 田部 宏1), 高倉 聡1), 山田 恭輔1), 落合 和徳1), 田中 忠夫1)
東京慈恵会医科大学産婦人科1), 東京慈恵会医科大学病理2)


 ミュラー管性腺肉腫は,良性のミュラー管性腺成分と肉腫の混合性増生よりなる稀な腫瘍である.主に子宮に発生し,卵巣原発のものは極めて稀である.症例は37歳,0経妊0経産.月経周期は28日で整,月経困難症を認めた.下腹部腫瘤感を主訴に近医受診し,巨大子宮筋腫を疑われ,精査加療目的で当院紹介受診となった.MRI検査では,骨盤内に内部に出血を伴う径12cm大の単房性嚢胞性腫瘤を認め,血中腫瘍マーカーはCA125 327U/ml,CA19-9 127U/mlと上昇していた.原発不明の骨盤内腫瘍の診断のもとインフォーム・コンセントを得た上で開腹手術を施行した.開腹時,左付属器は小児頭大に腫大し,子宮腺筋症のため鵞卵大に腫大した子宮の後壁と内膜症性に強固に癒着していた.右付属器に腫大を認めなかった.少量の非血性腹水を認めた.術中迅速病理診断で腺肉腫が疑われ,左付属器摘出術を施行した.摘出された左卵巣は径12cmの単房性嚢胞を形成し,嚢胞壁には細い茎を有する径10cmの淡黄色調隆起性腫瘤を認めた.嚢胞内容は血性であった.組織学的に,内膜症性嚢胞壁に連続して,異型を示さない腺管とその間質に増生する紡錘形ないし類円形異型細胞(肉腫成分)よりなる腫瘍を認めた.Sarcomatous overgrowthの診断基準は満たさないものの,肉腫成分の多くは組織学的に高悪性度であった.腫瘍の被膜外浸潤は明らかでなく,腹水細胞診は陰性であったが,術中被膜破綻をみたためstage Icと診断した.術後,後治療を施行せず経過観察しているが,術後7ヶ月の時点で転移や再発の兆候は認めていない.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 155-155, 2008


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