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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
妊娠と感染症
感染性を認めた結核合併妊娠の一例


中村 晃和, 市川 剛, 久野 宗一郎, 宮川 康司, 正岡 直樹, 山本 樹生
日本大学医学部産婦人科総合母子周産期医療センター


 結核患者の再増加に伴い,妊娠可能年齢の女性での結核感染リスクは高くなっており,胎児,新生児の結核感染も再認識されるようになってきた.結核合併妊娠は感冒と紛らわしく,胸部X線が積極的に実施しにくいことから,発見が遅れやすいことが問題となる.今回,我々は実際妊娠32週に結核が発見された症例を経験したので,管理方法を含め報告する.症例37歳4G4P妊娠32週5日に当院に結核合併妊娠の診断で紹介となるガフキー6号と感染性を認め,さらにIUGRも認めた.結核隔離病棟で妊娠管理を行い,抗結核薬3種の内服治療を行った.分娩方針は産婦人科,内科,新生児科,病棟,感染対策委員で検討し本人の同意のもとで37週0日予定帝王切開とした.新生児は体重1495g,LFDでNICU入院となった.また児の結核感染の結果が出る間までの数日間は,クベース収容及び個室管理とした.産褥経過良好で結核治療を前医にもどり行った.考察今後,結核合併妊婦の飛び込み分娩という可能性はある.不用意な取り扱いは,医療機関での集団感染事件を生じる結果となるため,結核のリスクを念頭において予防対策をすることも大事である.万一結核合併妊娠が判明したら妊婦を隔離できる施設,分娩した児が結核(−)であることが判明するまで隔離できる施設,さらに結核専門医の治療をうけれる環境作り,もしくは,取り扱うことのできる施設への搬送を考慮する必要がある.結核合併妊娠においては,患者が疾患による苦痛や不安に加えて,治療にまつわる母子分離からの育児スタートを強いられるので地域の保健婦の援助も不可欠である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 169-169, 2008


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