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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
妊娠と感染症
妊娠悪阻の経過中に腸炎を契機に敗血症をきたした症例


平岩 由紀子1), 東 裕福1), 松永 竜也1), 小平 博1), 今井 一夫2)
横須賀市立市民病院産婦人科1), 今井ウイメンズクリニック産婦人科2)


 【緒言】妊娠中の細菌感染症は,子宮筋腫や心疾患などの基礎疾患があるものに起こることが知られているが,合併症がない妊婦でも母体の急性感染症をきたした症例報告は散見される.今回我々は,妊娠悪阻にて入院治療中に突然敗血症をきたし,集学的治療により救命し得た症例を経験したため,若干の文献的考察を含め報告する.【症例】23歳の1回経産婦である.既往歴としては平成13年と平成14年に大量服薬・薬物中毒にて入院した既往がある.近医にて妊娠と診断されていたが,妊娠悪阻のため実家にて静養していた.症状悪化により当院救急外来を受診し同日入院した.入院時は妊娠9週,尿ケトン(2+),悪心・嘔吐と全身倦怠認めるがその他に異常認めなかった.悪阻に対して補液治療を行っていたところ,入院後4日目に突然39度台の発熱と水様性下痢が出現した.血液検査にてDICも呈したため,抗生剤や血液製剤等使用した集学的治療を行った.静脈血培養よりEnterobactor cloacaeが検出され抗生剤を変更し,発症後1週間で解熱および臨床検査の改善を認めた.心エコー及び腹部超音波を行ったが,器質的異常は認めなかった.さらにその後,検査所見および全身状態改善したため退院となった.入院中切迫流産の兆候は見られず,退院時の超音波検査にて胎児の発育は週数相当で胎児心拍も良好であった.退院後は分娩予定であった前医での経過を希望されたため転院した.【結語】基礎疾患のない妊婦が突然エンテロバクターによる敗血症をきたした症例を経験した.妊娠という状況に加え,悪阻による体力低下や便秘,腸炎が加わり発症したものと推測された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 170-170, 2008


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