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第115回学術集会(平成20年6月15日(日))

【一般演題】
良性腫瘍・その他[1]
心不全を契機に発見された静脈内平滑筋腫症の1例


吉川 由利子, 西村 陽子, 増田 英理子, 小出 直哉, 鈴木 啓太郎, 長尾 充, 久志本 建
町田市民病院産婦人科


 静脈内平滑筋腫症は骨盤内静脈から下大静脈まで進展する稀な良性平滑筋腫で,時に右心房にまで達し心不全,呼吸苦,突然死をおこすといわれている.好発年齢は47(26〜76)歳で,子宮平滑筋腫のように発症時の年齢が閉経前とは限らない.今回われわれは左卵巣静脈より下大静脈を経由し右心房に達する静脈内平滑筋腫症と考えられた1例を経験したので報告する.症例は45歳,月経不順,浮腫で婦人科受診した.外来経過観察中に呼吸苦が出現したため,内科受診した.心エコー検査で右心房内に下大静脈より連続するabnormal echoを認め,下大静脈は著明に拡大していた.MRI true FISP画像にて下大静脈から左腎静脈左卵巣静脈合流部近傍にかけて造影効果を認めない索状の低信号域を認めた.血管内腫瘍摘出目的で心臓外科および婦人科により手術を施行した.子宮筋腫を認め,左卵巣静脈は著明に拡張していた.開胸開腹にて血管内腫瘍摘出,子宮および左付属器摘出が行われた.術中の出血量は12,000gで術後ICUにて管理を行い,38病日退院となった.現在外来にて経過観察中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(2) 173-173, 2008


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