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<< 学会誌へ戻る 子宮筋腫は30歳以上の婦人約20％に認められ，妊娠中に合併する頻度は1.5〜4.0％と言われている．子宮筋腫合併妊娠は妊娠，分娩，産褥にさまざまな障害を引き起こすことが知られているが，特に巨大なものでは圧迫による深部静脈血栓症や水腎症等が注意すべき合併症であり，娩出方法として苦慮する例も数多く認められる．今回当センターにて最近巨大子宮筋腫を合併し帝王切開にて分娩に至った3症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する． 症例1は35歳3経産．妊娠初期より8cm大の子宮筋腫を認めた．妊娠24週以降切迫早産にて入院管理となり，妊娠36週で血圧上昇，浮腫増悪を認め緊急帝王切開となった．子宮は左に約90度回転し，子宮前壁に児頭大の筋腫を認めた．筋腫をよけるようにして子宮体部を縦切開し児を娩出した．症例2は36歳0経産．前医にて不妊治療後，当院にて妊娠管理となった．妊娠23週より切迫早産にて入院管理，妊娠28週頃より右水腎症を認め，妊娠37週で帝王切開となった．子宮底部の10cm大の漿膜下筋腫のほか，多数の筋腫を認めた．子宮下部を横切開し児娩出後，一部子宮筋腫核出術を施行した．症例3は42歳0経産．多発筋腫合併妊娠として他院で管理をしていたが，筋腫部位の疼痛と炎症反応の上昇，右水腎症を認め，妊娠35週で当院受診となった．入院後抗生剤投与し，妊娠37週で帝王切開となった．子宮は右に約90度回転し，左側に15cm大の漿膜下筋腫をはじめ，多数の筋腫を認めた．また左側の筋腫と腹壁に強固な癒着を認めた．前壁全体にわたって巨大筋層内筋腫があり前壁からの切開困難であったため，子宮後壁下部より横切開を加え児を娩出後一部子宮筋腫核出術を施行した． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 265-265, 2008 |
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