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<< 学会誌へ戻る 【はじめに】婦人科手術においては泌尿器系奇形に注意することが重要であるが，骨盤腎はその中でも比較的頻度が高く，その頻度は0.05〜0.2％といわれている．実際に，手術において婦人科医がそれらを経験することは少ないと思われるが，今回我々は非常に稀と思われる骨盤内で両側腎の癒合した骨盤馬蹄腎を有する子宮体癌症例を経験したので報告する．【症例】59歳，4経妊3経産，既往歴として特記すべきことはないが，以前より骨盤馬蹄腎を指摘されており，近医泌尿器科にてフォローされていた．婦人科検診にて子宮内腔細胞診異常を指摘され，精査目的にて当院を受診した．外来での内膜組織診にて類内膜腺癌Grade1，画像診断上でIb期相当の筋層浸潤が疑われたため，拡大子宮全摘出術，両側付属器切除術，骨盤リンパ節郭清術を予定した．術前のMRI画像においても，骨盤馬蹄腎を認めていたためにリンパ節郭清範囲の制限が予測され，術前に十分なシュミレーションのうえに手術施行した．開腹所見では，仙骨前面に隆起する腎臓を認めた．腎被膜越しに腎臓を愛護的に圧排しながらの操作が必要であり，内腸骨リンパ節郭清時の展開がやや困難であった．術後病理組織診断上，類内膜腺癌Grade1，術後進行期分類はpT1bN0M0，stageIbであった．【まとめ】今回，骨盤馬蹄腎を有する症例に骨盤リンパ節郭清術を施行した．尿管の走行や腎血管の把握には術前のMRI評価が非常に有用であった．骨盤腎に関する若干の文献的考察を加えて報告する． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 281-281, 2008 |
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