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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【一般演題】
悪性腫瘍1
治療に難渋した絨毛性疾患の一例


宇佐美 友希, 井畑 穰, 浅野 涼子, 長谷川 哲哉, 佐治 晴哉, 鈴木 理絵, 助川 明子, 宮城 悦子, 平原 史樹
横浜市立大学医学部産婦人科


 絨毛性疾患は近年減少傾向にあり,日常的に遭遇することが稀な疾患であるが,化学療法が著効することから広汎に転移した症例でも完全寛解を期待できるため,治療の選択が極めて重要な疾患である.今回,我々は絨毛癌診断スコアで転移性奇胎と診断しMTX単剤療法を施行したが効果なく,多剤療法に変更して奏功した一例を経験したので報告する.症例は32歳女性未経妊無月経を主訴に前医を受診し妊娠と診断.妊娠8週になっても胎児を認めず流産の診断で子宮内膜全面掻爬術(D&C)を施行した(day0).病理診断は部分胞状奇胎であった.8日後に再度D&Cを施行し奇胎の遺残を認めた.D&C施行後も尿中hCGが増加したためday24からMTX-FA療法を施行.治療後も尿中hCGは上昇し,MRIで子宮底部に長径45mmの腫瘤を認め,侵入奇胎難治例として当院へ紹介された.入院後のCTで肺転移を認め,絨毛癌診断スコアから転移性奇胎と診断した.MTX単独療法を2サイクル施行したが,病変が増大しhCGも上昇したため,MEA療法へ変更した.初回終了後からhCGは減少し,4サイクル終了時には血中hCG-βが陰性化,5サイクル終了時には血中hCG-Eも陰性化した.また,MRI上子宮底部に認められていた腫瘤は長径32mmにまで縮小し,肺転移巣も消失していた.11サイクルまで施行し,治療終了とした.月経周期も回復し,外来で二次管理を施行中である.絨毛性疾患の治療を決めるに際し,従来の絨毛癌診断スコアに加え,Revised FIGO scoring systemなどを用いて適切な予後評価を行った上で治療を選択することが重要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 286-286, 2008


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