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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【一般演題】
子宮筋腫
腹壁に発生した平滑筋腫の一例


中尾 光資郎, 山下 宗一, 村田 知美, 平川 隆史, 青木 宏, 中村 和人, 峯岸 敬
群馬大学医学部産科婦人科


 子宮外に発生する異所性平滑筋腫は非常に稀であり,また腹壁平滑筋腫の多くは子宮全摘あるいは筋腫核出といった子宮操作手術後に発生すると報告されている.今回我々は腹部手術既往の無い女性の腹壁に発生した平滑筋腫を経験したので報告する.症例は47歳.特記すべき既往歴なし.平成15年より子宮筋腫のため近医にて経過観察されていた.平成20年2月のフォローアップMRIにて腹壁内に膀胱と連続しているように見える腫瘤を認め,同3月尿管膜腫瘍の疑いにて当院泌尿器科に紹介受診となった.当院泌尿器科で施行した尿細胞診では悪性細胞認めず,膀胱鏡でも膀胱内に腫瘍性病変認めなかった.CTでは明らかな尿膜管の腫大等認められず,子宮体部には筋腫様の多発腫瘤認められたため,骨盤部腫瘍(子宮筋腫又は腹壁内腫瘍)の診断にて同4月2日当科紹介となった.画像診断のみでは確定診断困難のため,同5月13日開腹手術施行.骨盤内に超手拳大の体部筋腫認めたが,それとは非連続に腹壁内に小児頭大の軽度変性を伴う充実性腫瘍認めた.膀胱壁とは連続しておらず,腹壁に発生した充実性腫瘍と診断し,腹式単純子宮全摘+両側附属器切除と腹壁腫瘍切除術施行した.摘出物の病理学的診断はLeiomyoma,uterus and abdominal wallであった.術後経過は良好で術後7日目に退院となった.現在当科外来にて経過観察中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 290-290, 2008


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