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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【一般演題】
子宮筋腫
Atypical polypoid adenomyomaに複雑型子宮内膜異型増殖症を合併した1症例


綱脇 智法, 矢島 正純, 松島 実穂, 澁谷 裕美, 松本 浩範, 岩下 光利
杏林大学産婦人科


 Atypical polypoid adenomyoma(APA)は子宮に発生するポリープ状の腫瘍性病変で,不正性器出血を主訴に発見される事が多い.基本的には良性であるが子宮内膜増殖症や類内膜腺癌との鑑別を要する.今回APAに複雑型子宮内膜異型増殖症を合併した1症例を経験したので報告する.症例は48歳女性.過多月経および不正性器出血を認め当院紹介となった.検するに子宮頚部より径3cm大の腫瘍が見られ筋腫分娩が疑われ,一方,超音波検査にて子宮内膜肥厚が認められた.Hbは2.7g/dlと強度の貧血状態で,MRIでは峡部付近に根部を有する粘膜下腫瘍と子宮内膜肥厚を認めた.子宮頚部および内膜の細胞診はいずれもクラスIII(子宮内膜増殖症を推定),頚部腫瘍の組織診はAPAを疑う異型腺組織,内膜組織診は複雑型子宮内膜異型増殖症の診断であった.子宮体がん0期の診断にて単純子宮全摘出術および両側付属器摘出術を施行.摘出標本では肉眼的に頚部に約3cm径のポリープ状腫瘍と,体部には肥厚した子宮内膜組織を認めたが筋層浸潤は見られず上記手術にて終了した.術後病理組織診にて頚部の病変はAPA.体部の病変は複雑型子宮内膜異型増殖症の診断であった.APAは比較的稀な腫瘍であるが約10%に類内膜腺癌の合併を見ることがあり,ときに高分化型腺癌との鑑別を要することもある,また本症例のように筋腫分娩のような形をとることがあり,保存的治療を行った場合には残存・再発することもしばしばある.子宮全摘出術を施行したので再発はないと思われるがAPAはすべての症例が良性と断定できず,個々の症例で十分に検討する必要がある.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 292-292, 2008


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