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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【一般演題】
臍帯,静脈血栓
周産期に発生した静脈血栓塞栓症20例の検討


高木 亜由美, 尾崎 江都子, 鶴岡 信栄, 田中 宏一, 尾本 暁子, 長田 久夫, 生水 真紀夫
千葉大学産婦人科


 <はじめに>近年,産科領域における静脈血栓症(VTE)の頻度が増加し関心も高まってきている.そこで今回,周産期に発生したVTEについて臨床的検討を行った.<対象>最近10年間に当科で管理した周産期VTE症例20例について,臨床的背景・管理方法・転帰について検討した.<結果>20例中19例がDVTもしくはPTEの症例であった(DVTのみ:11例,PTEのみ:6例,PTEにDVTが合併:2例).他の1例は,脳梗塞症例であった.PTEで発症した8症例では,呼吸困難が初発症状であった.DVTで発症した11症例の初発症状は,下肢の腫脹・疼痛であった(右:3例,左:10例).発症時期別にみると,妊娠初期が7例(うち2例は排卵誘発治療後),中期が3例,後期が5例,分娩後4例(うち2例は帝王切開術後)であった.原則として妊娠中は未分画ヘパリンの治療量持続投与による管理が,分娩後はワーファリン経口投与による管理が行われていた.5例には静脈フィルターの挿入が行われた.治療中に,VTEの再発や出血等の副作用を認めた症例はなく,人工妊娠中絶となった2症例を除き全例で生児を得ることができた.血栓性素因を認めたものが4例(protein S抗原量低下:3例,AT3低下:1例)あり,そのうち3例にPTEが認められた.このPTEの率は血栓性素因みられなかったもののそれ(16例中5例)に比し高い傾向にあった(p=0.11).<結語>VTEの多くは血栓性素因がなく,VTEの発症をあらかじめ予測することは困難と思われる.血栓性素因がある場合にはPTEの発生に注意して管理する必要がある.ヘパリン持続投与によって管理した場合の周産期VTE症例の予後は良好と考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 300-300, 2008


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