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第116回学術集会(平成20年11月29日(土),30日(日))

【一般演題】
胎盤
正常分娩後20日間経過してから子宮出血で判明した遺残癒着胎盤の1例


星野 正道, 島村 京子, 亀田 高志, 鏡 一成, 深石 孝夫
桐生厚生総合病院産婦人科


 正常分娩後,異常なく退院したがその後20日間経過してから突然の多量子宮出血を生じたことで判明した遺残癒着胎盤の1例を経験した.症例は43才,2経妊1経産で今回より11年前に正常分娩をしている.今回自然妊娠にて近医受診したところ,長径43mm程度の子宮筋腫合併を指摘され当院紹介された.子宮筋腫は子宮右側方にあり経膣分娩に支障ないと判断,妊婦健診を続行していた.妊婦健診期間中,とくに異常なく経過した.妊娠36週0日,前期破水にて入院.36週6日,3194g女児を正常経膣分娩した.胎盤は児娩出後11分後に自然娩出された.胎盤形状は正常円形で欠損なしと記録されている.出血量は813gであったが子宮収縮とともに止血した.産褥経過良好で分娩後5日目の退院診察では特に所見なく同日退院.ところが分娩後20日目に多量出血の訴えあり来院された.当初遺残胎盤によるものかと考え子宮内容清掃術実施するも出血とまらず,MRIにて子宮腔内に突出する長径20mm程度の造影効果の高い領域を認めた.子宮動脈塞栓術も考慮したが検討の末,腹式単純子宮全摘術を実施.術前の出血多量のため濃厚赤血球2単位輸血したものの術中経過はとくに問題なかった.摘出子宮を切開してみると背側内膜よりアーモンド状の突出があり,肉眼的には判別難しかったが組織診にて癒着胎盤と指摘された.術直後ふくめて術後経過は良好で,子宮摘出術後8日目で退院された.本症例は分娩経過が胎盤所見とともに正常であったこと,遺残した癒着胎盤による症状が分娩後20日を経た時点で出現したことが特徴的であった.治療法選択の問題もふくめて若干の文献的考察を加えて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(3) 302-302, 2008


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