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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))

【一般演題】
優秀演題 腫瘍
卵巣腫瘍におけるMRI拡散強調画像の有用性についての検討


山本 泰弘, 福田 麻実, 田岡 英樹, 櫻井 信行, 浅川 恭行, 久布白 兼行
東邦大学医療センター大橋病院産婦人科


 【目的】拡散強調画像(DWI)が,近年撮影機器などの進歩により躯幹部の腫瘍診断に応用されるようになってきた.今回,当院での悪性卵巣腫瘍を中心とした症例の術前DWI画像について後方視的に評価・検討したので報告する.【方法】MRIは,1.5T撮影装置を用いて骨盤部の撮影を行った.DWIの撮影条件としてb値は1000s/mm2とした.読影にあたり,T1強調画像にDWI画像をfusionし,DWI画像に解剖学的位置情報を加え視覚的評価を行った.当院で治療を行った卵巣腫瘍症例17例を対象とした.その内訳は,良性腫瘍6例(成熟嚢胞奇形腫4例,漿液性嚢胞腺腫1例,子宮内膜症性嚢胞1例),境界悪性腫瘍5例(漿液性4例,粘液性1例),卵巣癌6例(漿液性腺癌3例,卵巣奇形腫悪性転化2例,明細胞癌1例)であった.【成績】成熟卵巣奇形腫はDWIで多彩な信号を呈したが,その他の良性腫瘍では正常卵巣部分のみに生理学的な信号が認められた.境界悪性腫瘍は,腫瘍内部の充実性部分にやや高信号が認められるものが多かったが,高信号を呈するものも1例認められた.悪性腫瘍では,腫瘍の局在部位に高信号が認められ,腹膜播種やリンパ節転移にも高信号が認められた.【結論】表層上皮性卵巣腫瘍では境界悪性以上でDWIは高信号を呈すると考えられた.一方で卵巣奇形腫では,良性の成熟嚢胞奇形腫であってもDWIで多彩な信号を呈した.そのため,良悪性の判断には造影検査など他のシーケンスとの対比が必要と考えられた.DWIは腫瘍の検出に優れ,腫瘍の広がりの診断には有用と考えられる.また,造影の不要なシーケンスであるため,造影剤使用が困難な症例における腫瘍診断の際にも有用と思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2) 156-156, 2009


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