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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))

【一般演題】
胎児異常2 頭部
下垂体重複・顔面正中裂を伴った上顎体の1例


森嶋 かほる, 小松 篤史, 吉田 志朗, 兵藤 博信, 亀井 良政, 藤井 知行, 上妻 志郎, 武谷 雄二
東京大学女性診療科・産科


 上顎体とは先天的に咽頭・口蓋またはその近傍より発生する奇形腫などの総称である.今回我々は診断に苦慮した上顎体症例で,下垂体重複・顔面正中裂を伴った1例を経験したので報告する.症例は21歳1経妊0経産,巨舌症疑いで妊娠37週に当科紹介初診となった.当科初診以降児は腹臥位で,児頭下降もあったため超音波での顔面・口腔の評価に難渋した.超音波・MRI上は表面平滑で均一な約15mm大の腫瘤であり巨舌の可能性を最も考えたが,経過中腫瘤の動きは観察できなかった.Beckwith-Wiedmann症候群に見られるようなmacrosomiaや臍帯ヘルニアの所見はみとめなかった.NICUと協議の上,経腟分娩の方針となり妊娠41週0日3002g女児分娩,Aps 8/9.出生直後より啼泣・自発呼吸あり,喉頭ファイバーでは気道の開通を確認できた.気管内挿管は不要でroom airで酸素化良好.出生後の精査では上顎体,下垂体重複(下垂体機能は正常),トルコ鞍の重複,口蓋裂,下顎骨重複,正中癒合,眼窩開離,顔面正中裂,鼻根部dimple,頚椎開離(二分頚椎),重複舌(舌裂)の所見を認めた.Duplication of pituitary with cleft palate and oropharyngeal tumors(下垂体重複症)という症候群の中に上顎体・顔面正中裂を合併する症例があり,本症例も下垂体重複症に該当するものと考えられた.口腔内腫瘍をみとめた場合には超音波やMRIの画像を詳細に検討し,巨舌に加えて上顎体・脳腫瘍の口腔内浸潤も考慮に入れる必要があると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2) 169-169, 2009


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