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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))

【一般演題】
卵巣癌1
診断に苦慮した虫垂原発転移性卵巣癌の1例


加藤 沙絵, 最上 多恵, 北川 雅一, 倉澤 健太郎, 平吹 知雄, 白須 和裕
小田原市立病院産婦人科


 虫垂原発腺癌は予後不良な稀な疾患で,卵巣転移症例では進行卵巣癌との鑑別は困難である.今回我々は診断に苦慮した虫垂原発転移性卵巣癌の1例を経験したので報告する.
 症例は54歳,0回経妊0回経産.閉経50歳.腹部膨満感を主訴に当院を受診した.経腹超音波では25×20×11cmの腹腔内多房性腫瘤と少量の腹水を認め,CTではその他の部位に異常所見はなかった.末梢血液検査・生化学検査に特記すべき事項はなかったが,腫瘍マーカーはCEA 285.5ng/ml,CA-125 525.1U/mlと高値だった.注腸造影を施行,明らかな消化器病変は認めなかった.卵巣原発悪性腫瘍を疑い開腹術を行った.腫大腫瘤は右卵巣であり,迅速病理診断で腺癌の診断となり,単純子宮全摘術,両側付属器摘出術,骨盤リンパ節郭清,大網切除術を施行した.虫垂漿膜面にも約1cm大の粘液性腫瘍を認め,虫垂切除術も行った.病理組織検査で,卵巣は中分化型腺癌,虫垂は粘液性嚢胞腺癌の像を呈していた.どちらが原発巣か,重複癌か,診断には大変苦慮したが,腫瘍細胞の免疫染色で双方ともCEA陽性であったこと,虫垂の粘膜固有層を,円柱状の高度から低度までの幅を持つ異型上皮が被覆しており,筋層内,漿膜下層へと粘液産生性の腺癌が浸潤している像が確認されたことから,虫垂原発腺癌の卵巣転移と診断した.現在まで術後6カ月間,消化器外科でTS-1療法を施行中,CEA 5.5ng/ml,CA-125 8.5 U/mlと低下し,再発は認めていない.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2) 177-177, 2009


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