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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))

【一般演題】
妊娠3 合併症妊娠1
肝限局性結節性過形成(focal nodular hyperplasia)を合併した妊娠の一例


五味 陽亮, 高木 健次郎, 新坂 真実子, 板谷 雪子, 松永 茂剛, 松村 英祥, 村山 敬彦, 斉藤 正博, 馬場 一憲, 関 博之
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期センター母体・胎児部門


 肝のFNH(focal nodular hyperplasia)は肝臓にできる良性腫瘍として2番目に多いとされ,剖検時には約8%程度に認められるという.男女差は女性では男性の約8倍といわれ,女性に多いと言われる疾患である.FNHはエストロゲンにより増大し血管の増生を認めると言われ,妊娠により悪化するという報告もある.今回,我々はFNHを合併した妊娠例を経験したので報告する.症例は25歳,初妊婦で13歳時に前医でFNHと診断され内科で定期的に経過を診ていたという.当初は7-8 cm大の病巣が肝門部に認められ,手術侵襲・危険性を考慮し外科的治療は選択されなかった.その後,転居に伴い当院の内科に紹介された.25歳で結婚,自然妊娠となり当科に紹介となった.妊娠前に施行されたMRIでは病巣は11cmと増大していたが,有害事象がないため,特に投薬もなく経過観察となっていた.妊娠9週5日に当科に紹介となった.妊娠前の肝機能検査ではγGTPが651U/L,ALP 407 U/Lと高値であったがAST/ALTは正常域であった.妊娠中の経過では腫瘤の痛みもなく,胎児発育も正常であった.妊娠39週4日に自然陣痛発来し,同日正常分娩となった.児は男児で3084g,Apgar scoreは8/9(1分/5分)であった.分娩後の経過も母児共に順調で産褥5日目で退院となった.妊娠経過に伴いγGTPは漸減し,分娩後低下したが,1ヶ月健診では再度上昇し,ALPは妊娠中期に低下したが,その後やや上昇し妊娠末期には415 U/Lとなった.腫瘍の大きさは妊娠中に施行されたMRIで著変なく,分娩後も妊娠前と同様の大きさであった.FNH合併妊婦の妊娠・産褥期の経過を詳細にみた報告は少なく,今回の自験例は興味ある症例と考える.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2) 187-187, 2009


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