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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))

【一般演題】
手術
急性腎不全をきたした術後巨大リンパ嚢胞の1例


中村 学, 久保田 和子, 斉藤 麻紀, 宮本 純孝, 西村 俊信, 富田 初男, 安藤 昭彦
さいたま赤十字病院産婦人科


 今回我々は卵巣癌手術後に発生した巨大リンパ嚢胞により急性腎不全をきたした症例を経験したので報告する.患者は60歳の女性.両側卵巣癌の診断で子宮全摘出術,両側附属器切除,骨盤リンパ節郭清,大網切除術を施行した.病理診断は漿液性乳頭状腺癌.TNM分類pT3cN1M0.術後13日目よりTC療法を開始した.術後33日目,外来受診時に腹部膨満の訴えあり.腹部超音波検査にて上腹部まで及ぶ腹水あり.同日緊急入院.CT検査では大量の腹水貯留と両側腎盂腎杯の拡張を認め両側水腎症と診断した.血液検査ではBUN29mg/dl,Cr1.4mg/dl.入院3日目に腹水2000ml除去.腹水は淡黄色透明で細胞診では異型細胞が少し認められた.その後経日的に尿量が減少し,フロセミドへの反応も悪く無尿となり,入院8日目にはBUN52mg/dl,Cr5.0mg/dlまで上昇した.緊急的に右腎ろう造設した.その後腎からの尿流出は良好でBUN,Crも正常化した.腹部膨満による症状強く,腎ろう造設4日後より腹水除去を再開した.腹水除去に合わせ,膀胱からも尿流出が認められ始め,下腹部に直径10cm程の嚢胞性腫瘤を認めるようになった.リンパ嚢胞と診断し,ドレーンを留置した.リンパ嚢胞は右膀胱側腔に形成されていた.ドレーン留置11日後,腎ろうカテーテル抜去すると同時に,ドレーンからの排出量の減少が認められないため,OK-432を10KE嚢胞内に注入した.注入は週1回のペースで計6回施行した.ドレーンは留置48日後に抜去した.その後リンパ嚢胞増大は認めず,入院78日目に退院した.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2) 213-213, 2009


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