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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
優秀演題賞候補(その他)
子宮動脈バルーン留置併用子宮全摘術にて治療し得た子宮動静脈奇形の一例


山本 直子1), 甲賀 かをり1), 藤本 晃久1), 丸山 正統2), 稲生 信一3), 赤羽 正章3), 大須賀 穣1), 矢野 哲1), 武谷 雄二1)
東京大学医学部附属病院女性外科・産科1), 丸山記念総合病院産婦人科2), 東京大学医学部附属病院放射線科3)


【緒言】子宮動静脈奇形は稀であるが,大量出血を来たし生命の危険を脅かす可能性のある疾患である.今回我々は閉経後の大量出血を来たし,子宮動脈バルーン留置を併用した子宮全摘術にて治療し得た症例を経験した.【症例】59歳4経妊3経産.56歳閉経.2009年2月14日少量の不正出血を認め近医を受診.外子宮口の凝血塊を除去したところ大量な新鮮血を認め,ガーゼ圧迫にて止血.翌日子宮内膜細胞診検査後,さらに大量の出血を認めたため,2月18日精査加療目的に当院へ救急搬送された.入院時,腟鏡診にて腟円蓋9時方向に約1cm大の拍動する血管塊が透見された.カラードップラー超音波にて子宮右側に血流豊富な怒張した血管を認めた.MR検査では子宮右側にナイダスを認め,MRAにて子宮動脈が流入血管であることが同定された.以上より子宮動静奇形と診断.血管径が太いため塞栓術単独での根治は不可能と判断.子宮摘出の方針とし,同日術中血流遮断目的に子宮動脈にバルーンを留置した上で,腹式子宮全摘術施行.約3cm大の拍動性腫瘤を子宮右側に認めた.バルーンのインフレートデフレートを繰り返し,流入血管の位置を確認しながら,右子宮動脈を単離切断.さらにその後側副路血管を集簇結紮切断しながら子宮を摘出した.手術時間3時間12分,出血量700mlであった.病理検査で,組織学的にも子宮動脈と静脈の吻合部が確認された.【結語】子宮動脈バルーン留置は,血流遮断による大量出血の回避だけでなく,血流の指標となることで,術中ナビケーションにも有効であった.子宮動静脈奇形において子宮全摘術を施行する際,動脈バルーン留置を併用することは非常に有用であると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 252-252, 2009


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