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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
胎児異常1
胎児診断されたJarcho-Levin syndromeの一例


種元 智洋, 和田 誠司, 石井 晶子, 高橋 健, 鈴木 美智子, 加藤 淳子, 梅原 永能, 川口 里恵, 大浦 訓章, 恩田 威一, 田中 忠夫
東京慈恵会医科大学産婦人科


【緒言】Jarcho-Levin syndromeは椎骨の異常(半椎や椎体癒合)による体幹短縮型小人症であり,肋骨の異常などを合併する稀な疾患である.今回,我々は出生前に診断したJarcho-Levin syndromeの一例を経験したので報告する.【症例】症例は23才,1経妊1経産.既往歴と家族歴に特記事項は認めない.水頭症疑いにて妊娠24週6日に当院紹介受診.超音波検査では,589g(-1.5SD)と軽度の胎児発育不全と,その他に脳室拡大,二分脊椎,側弯,胸郭低形成,口唇裂,単一臍帯動脈を認めた.MRI検査にても同様の所見を認め,羊水染色体検査では正常核型であり,以上よりJarcho-Levin syndromeと診断した.妊娠36週6日,選択的帝王切開を施行した.出生体重は2082g,男児,Apgar score 7/8(1分値/5分値)であり,出生後は上記所見に加え鎖肛を認めた.NICU管理となり,人工肛門造設術,二分脊椎と水頭症の手術を行い,現在も入院中である.【考察】Jarcho-Levin syndromeの分類は確立していないが,Mortierらの分類によるとJarcho-Levin syndrome,Spondylothracic dysostosis,Spondylocostal dysostosisに分類される.合併奇形には肋骨の異常,二分脊椎,口蓋裂,前弯,後側弯,鎖肛などがある.基本的に精神発達予後は問題ないとされているが,その生命予後は,主に呼吸不全や呼吸器感染症の有無によるとされている.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 258-258, 2009


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