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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
胎児異常3
胎児クモ膜のう胞の一例


牧田 千恵, 牧野 康男, 三谷 穣, 安田 理乃, 劉 樺, 立川 結貴, 上田 英梨子, 土山 哲史, 吉井 明日香, 川道 弥生, 松田 義雄, 太田 博明
東京女子医科大学産婦人科


 胎児クモ膜のう胞は稀な疾患であるが,児の予後に影響を与える可能性があり,早期の診断と対応が必要である.今回我々は妊娠34週に脳室拡大を疑われ,クモ膜のう胞と診断された症例を経験したので,文献的考察を交え報告する.■ 症例は2経妊2経産.既往歴,家族歴に特記事項はない.近医にて妊娠初期より管理され,特に異常は指摘されていなかった.妊娠34週4日の超音波検査にて左脳室の拡大を疑われ,妊娠35週2日当院へ紹介受診となった.超音波検査にて左側頭葉〜後頭葉にかけて脳実質の欠損を認めた.Mid-lineの偏位はなく,脳室拡大は認めなかった.その他の部位にも病変は認めず,胎児クモ膜のう胞または孔脳症を疑い,精査のため妊娠36週4日にMRIを施行した.やはり,クモ膜のう胞が強く疑われ,経過観察とした.分娩形式に関して,脳外科と相談により,嚢胞は橋静脈付近に存在し,経腟分娩時の児頭応形による頭蓋内出血の可能性があるとの指摘を受けたため帝王切開の方針とした.妊娠38週2日 帝王切開施行.児は3650gの女児であり,Apgar scoreは1分値8点,5分値9点で,臍帯動脈血pHは7.218であった.児のCT/MRIによる精査にてクモ膜のう胞と診断された.頭蓋内に出血は認めず,全身状態は良好,痙攣は認めず,現在経過観察中である.■ クモ膜のう胞は軟膜クモ膜の層に包まれた脳脊髄液の総称であり,軟膜とクモ膜の発達不良により形成される.出生後の合併症として水頭症や大頭蓋症,さらに痙攣などを発症することがある.本症例では,超音波,MRIにて診断し,脳外科,新生児科との相談の上,帝王切開にて分娩管理を行った.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 261-261, 2009


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