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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
産科救急疾患
臨床的羊水塞栓症の1例


難波 千絵, 奥津 由記, 五十嵐 豪, 渡部 真梨, 新橋 成直子, 石山 めぐみ, 中村 真, 鈴木 直, 田村 みどり, 井槌 慎一郎, 石塚 文平
聖マリアンナ医科大学産婦人科


【症例】39歳 1経妊1経産.既往歴:特になし.現病歴:他院にて顕微授精胚移植で妊娠成立.妊娠8週より当院にて妊婦検診を受けており,経過特に異常は認めなかった.妊娠39週1日,破水感にて来院.子宮口3.5cm開大,肉眼的羊水流出あり,前期破水の診断で入院となった.NST開始後10分で児心音低下,同時に吐気の訴えあり,強直性痙攣発作が出現.気道確保し補助換気したが,母体の意識はなくチアノーゼが出現.児心音も60bpmから回復なく緊急帝王切開となった.手術室入室時,HR20〜30回/分,血圧測定不可能,瞳孔散大しており心臓マッサージ開始.ボスミン投与にて心拍再開.発症から23分,手術決定から18分で児娩出した.児は3204g,Apgar score 1分後2点,5分後4点,臍帯血PH6.668であった.血液検査結果は完全なDIC状態であり,出血コントロールがつかずATH施行.発症から1時間後より輸血開始し,術中輸血はトータルでMAP56単位,FFP108単位,plat25単位必要とした.術中出血量は16267mlであった.術後DIC状態からは脱しvital呼吸も安定していたが,意識回復せず.頭部CTにて大脳全体に著名な浮腫あり,脳波にてα波消失あり,広範囲な大脳機能の低下を認めた.その後植物状態とまま,気管切開と胃ろうを造設し,現在まで1年5ヶ月神経学的所見は変わらず経過されている.羊水塞栓症は急速に発症し母児ともに生命の危険性がある重篤な疾患である.産科救急の初期対応と各科連携を再考させられた症例であった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 268-268, 2009


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