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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
妊娠分娩合併症1
帝王切開後の静脈血栓塞栓症予防のためへパリンを皮下注した後,へパリン起因性血小板減少を来した一例


河原井 麗正, 江口 修, 中村 美輪, 小林 治, 神山 正明
国保君津中央病院産婦人科


【緒言】静脈血栓塞栓症の予防目的にへパリンは多く使用されているが,その副作用であるヘパリン起因性血小板減少(HIT)は案外知られていない.今回,帝王切開後のへパリン皮下注後に発症したHITを経験したので報告する.【症例】25才,未経産.妊娠27週2日,近医にて血圧180/100mmHg,尿蛋白4+と重症妊娠高血圧腎症が指摘され当科へ母体搬送された.入院時の体重は76.1kgであった.同日深夜,胎児心拍モニターで変動性一過性徐脈が多数みられたため緊急帝王切開し,651gの男児を得た.術後から,静脈血栓塞栓症予防のためヘパリンカルシウム5000単位を1日2回皮下注した.また,静脈ルート内の凝固予防のため,ヘパリンロック100単位を毎日使用していた.血小板数は,帝王切開前は112000/μL,術後3日目は104000/μL,その日の午後は81000/μLと減少した.肝腎機能や凝固系に問題ないためHITを疑い,即,ヘパリンカルシウム皮下注とヘパリンロックの使用を中止した.その翌日(術後4日目)には血小板89000/μLと増加し,退院前日(術後15日目)には272000/μLまで回復した.抗ヘパリン-血小板第4因子複合体抗体(HIT抗体)は陰性であった.【考察】本症例から,少量のヘパリンでもHITが発症することを知り得た.血小板減少を来たす疾患として,播種性血管内凝固症候群やHELLP症候群,妊娠高血圧症候群などが挙げられるが,HITも鑑別診断に挙げる必要があると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 271-271, 2009


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