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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
子宮頸部腫瘍1
子宮頸部円錐切除術後,12年を経て子宮頸癌を発症した1例


細沼 信示, 鈴木 直, 渡邊 弓花, 矢作 奈美子, 和田 康菜, 大原 樹, 戸澤 晃子, 近藤 春裕, 小林 陽一, 木口 一成, 石塚 文平
聖マリアンナ医科大学産婦人科


【緒言】子宮頚癌治療ガイドラインによれば,0期の診断で妊孕性温存を望まない症例に対しては単純子宮全摘術が考慮されると記載されている.今回,子宮頸部上皮内癌(CIS)の診断で子宮頸部円錐切除術を施行後,12年を経て発症した子宮頸部扁平上皮癌Ib2期の1例を経験したので報告する.【症例】72歳,1経産で閉経は55歳.60歳時,CISと診断し子宮全摘術を勧めるも,本人の強い希望で子宮頸部レーザー円錐切除術を施行した.術後病理診断はCISで断端は陰性であった.その後,外来経過観察とし,年1回の検診を71歳まで施行,異常所見は認めなかった.今回,下腹部痛を主訴に内科受診,CT・超音波検査で子宮腫瘤を指摘され当科受診となった.内診上,子宮は超手拳大,子宮頸部は閉鎖していた.子宮腟部頸管細胞診はclassII,子宮内膜細胞診は頸管閉鎖のため採取不能であった.MRI検査で子宮内腔に発生する不整形の腫瘤を認め,子宮体癌を疑い手術方針とした.子宮摘出後の肉眼所見では子宮留膿症と思われたが,術中迅速病理診断にて扁平上皮癌と診断,拡大子宮全摘術と両側付属器切除術の術式に加え,両側基靱帯の処理と骨盤内リンパ節郭清を行った.術後永久標本は扁平上皮癌角化型pT1b2N0M0であった.現在CCRTを行い外来経過観察中である.【考察】閉経後の子宮頸部円錐切除は,術後の頸管狭窄・閉塞により,頸管の観察が不十分となる.本症例は,術後の経過観察(細胞診・超音波)を行ったにもかかわらず,異常所見を検出できなかった.閉経後や妊孕性を望まない症例であれば単純子宮全摘術を考慮し,また子宮温存を選択する場合でも,十分なインフォームドコンセントが必要であることを再認識した.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 276-276, 2009


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