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<< 学会誌へ戻る 【緒言】帝切瘢痕部に胎嚢を認め，MRI，経膣超音波検査によって診断し，メトトレキセート（MTX）投与による保存的治療を行って子宮温存しえた症例を経験したので報告する．【症例】32歳．妊娠，分娩歴：6経妊3経産（帝王切開3回）．既往歴：特記すべきことなし．現病歴：妊娠反応陽性を主訴として，当科を受診した．子宮内に胎嚢を認めなかったため，10日後に再度確認した．既往帝切創と思われる子宮体下部前壁から子宮頚管にかけて直径14.1mmの胎嚢様構造を認め，随時尿の尿中hCG 7348 IU/lであった．また，子宮口より少量の出血を認めた．5日後の再診では胎嚢様構造は直径13.7mmであったが，随時尿の尿中hCG 24430 IU/lであり，基礎体温は高温相，少量出血を認めた．帝切瘢痕部妊娠あるいは頚管妊娠を疑い，MRIを撮影したところ，子宮体下部前壁から子宮頚管にかけて胎嚢様構造を認め，菲薄した子宮筋層を認めた．胎芽は画像上認めなかった．帝切瘢痕部妊娠と診断した．基礎体温より妊娠7週相当であり，出血が少量で胎芽も認めないことより，インフォームド・コンセントを得て，MTX投与による保存的治療の方針とした．MTXを50mg/m2/週を，2週間投与した．胎嚢は消失し，MTX投与開始41日目の尿中hCGは15.9 IU/lと低下した．MTX投与開始65日目に月経が再開した．【考察】帝切瘢痕部妊娠や頚管妊娠は，稀な疾患であるが，出血のコントロールなどが困難で対応に苦慮することが多い．本症例は早期診断でき，保存治療しえた症例と考えられた． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 283-283, 2009 |
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