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第118回学術集会(平成21年11月7日(土),8日(日))

【一般演題】
子宮筋腫合併妊娠
帝王切開後に子宮筋腫の自然退縮を認めた妊娠後屈嵌頓子宮の一例


松島 実穂1), 西村 修2), 天方 朋子1), 杉山 重里1), 落合 大吾1), 阿部 礼子1), 池田 俊之1), 矢久保 和美1), 福井谷 達郎1)
さいたま市立病院産婦人科1), 平塚市民病院産婦人科2)


【緒言】嵌頓子宮とは,後屈子宮が妊娠経過中に自然整復せず増大し小骨盤腔内に嵌頓する稀な病態である.今回我々は,帝王切開時の術中所見と術後のMRI検査にて子宮筋腫に起因する妊娠嵌頓子宮と診断し,術後に筋腫が自然退縮した一例を経験したので報告する.【症例】32歳,初産.妊娠30週2日に重症妊娠高血圧腎症を呈したため当院に母体搬送された.搬送時の経腟超音波検査では子宮頚部前方に約10cm大の頚部筋腫を認めた.入院後,妊娠高血圧腎症が増悪し同日緊急帝王切開術施行した.術中,超音波ガイド下に筋腫より頭側の子宮筋層に横切開を入れたところ,頚管を貫通し,頚管後面の筋腫内まで達したため,切開を頭側にU字に延長することで子宮腔内に達し児を娩出した.子宮頸部は挙上し,子宮底部は坐骨側に位置し重度の後屈を示したため,子宮後壁の筋腫に起因する妊娠嵌頓子宮を疑った.術後5日目の骨盤MRI検査では,子宮は高度に後屈し,子宮後壁に筋層内筋腫を認めた.術後経過は良好で9日目に退院したが,その後子宮内感染を起こし外来にて抗生剤投与し経過観察した.産後60日頃より変性壊死した筋腫が子宮口から部分的に排出され,産後79日目のMRIでは子宮後面に残存する子宮筋腫を認めるのみとなった.【結語】本疾患の早期診断は困難とされ,排尿障害や帝王切開時の所見などにより初めて診断されることが多い.本症例においても精査の時間的余裕もなく術前診断が出来なかったため手術に難渋した.本疾患の成因と考えられた筋腫が自然退縮した原因については不明だが,子宮切開の際に筋腫が子宮腔と交通し,さらに術後の子宮内感染により変性壊死し子宮腔内に排出され退縮したと示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(3) 295-295, 2009


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