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【症例報告】
腹腔鏡下子宮筋腫核出術中に認められた,虫垂子宮内膜症の1例


中山 毅, 石橋 武蔵, 田中 一範
JA静岡厚生連静岡厚生病院産婦人科


 子宮内膜症とは,子宮内膜と同じあるいは類似の形態と機能を持った,子宮内膜様組織が異所性に発育し,症候をもたらす疾患である.性成熟期女性の約4〜50%に認めるとされ,骨盤痛や不妊症の主要な原因となる.子宮内膜様組織は,子宮,卵巣,骨盤腹膜に好発することが多い.稀であるが,腸管,膀胱,尿管,横隔膜,肺,皮膚などに発生することもある.腸管に病変を認める腸管子宮内膜症は,性成熟期女性の3〜34%に認めると報告されている.そのうち虫垂に病変が存在するものを虫垂子宮内膜症といい,腸管子宮内膜症の中でも,比較的稀な疾患である.今回,腹腔鏡下子宮筋腫核出術中に偶然に虫垂の腫大を発見し,同時に腹腔鏡下虫垂切除術も施行し,術後病理検査にて子宮内膜症と診断された症例を経験した.腹腔内に子宮内膜症の所見はなく,虫垂のみに子宮内膜様組織を認めていた.病因については不明な点もあるが,特に右下腹部痛や不妊症を主訴とした患者に腹腔鏡手術を施行する際には,例え腹腔内に明らかな子宮内膜症病変を認めていなくても,積極的に虫垂を確認し,虫垂子宮内膜症にも留意する必要があろう.また虫垂子宮内膜症患者が妊娠した際には,腸閉塞や腸穿孔などの重症化を起こしやすいことから,異常所見があれば同時に虫垂切除を積極的に行うことも望ましいのではないかと考えられた.

Key words:Appendiceal endometriosis, Laparoscopic myomectomy

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(1) 59-65, 2010


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