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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
合併症妊娠B
・妊娠25週に総胆管結石による急性膵炎を呈した一例


横道 憲幸1), 大熊 克彰1), 吉田 彩子1), 高江 正道1), 渡部 真梨1), 房間 茂由1), 石塚 文平2)
川崎市立多摩病院産婦人科1), 聖マリアンナ医科大学産婦人科2)


急性膵炎の成因あるいは誘因の中には妊娠中にみられる高脂血症,妊娠中期以降の妊娠子宮による腹腔内圧上昇など妊娠に関連するものもあり,急性膵炎は診断,治療が遅れれば死亡率も高く,予後不良な疾患である.また妊娠自体はコレステロール胆石の誘因の1つであるが,妊娠中の胆石の治療法にはある程度限りがある.今回我々は妊娠25週に総胆管結石による急性膵炎を呈した1例を経験したので報告する.症例は26歳の未経産,前医で妊婦健診を受けており経過は順調であった.妊娠19週1日,昼食摂取後に上腹部痛出現し当院内科受診.Murphy徴候陽性と腹部超音波検査で胆石を認めたため急性胆嚢炎の診断で入院となる.患者と家族の希望で絶飲食と抗生剤投与による保存的治療を施行したところ症状が軽快したため一旦退院となる.妊娠25週5日に突然の右季肋部痛にて当院救命センターへ救急搬送される.身体所見,MRCP,腹部エコー,血清膵アミラーゼ値が3822IU/lの高値から総胆管結石による急性膵炎と診断し直ちにFOYなど投与を開始し急性膵炎の治療をはじめた.また同日にERCD(内視鏡的逆行性胆管ドレナージ)にて十二指腸乳頭を切開して総胆管結石を排石した.その後血清アミラーゼも低下して症状も軽快した.その後の胎児発育には異常を認めていない.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 229-229, 2010


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