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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
卵巣癌
・術前低Na血症を呈した未熟奇形腫の1例


坂本 有希, 藤原 寛行, 竹井 裕二, 嵯峨 泰, 浅田 京子, 斎藤 裕, 山中 誠二, 種市 明代, 町田 静生, 鈴木 光明
自治医科大学産婦人科


【緒言】抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)合併卵巣腫瘍は稀である.今回SIADH同様の病態を示した未熟奇形腫を経験した.【症例】16歳,0経妊.2007年夏頃より腹部膨満感出現.2008年3月,間欠的腹痛あり,超音波で約10cm大,多房性,充実成分を有する腹部腫瘍を認め,CT,MRIで右卵巣由来の奇形腫が疑われた.術前検査で,血清Na119mol/lと低Na血症を認めSIADHが疑われたが,血清ADHは1.5pg/ml(正常値0.3〜3.5)であった.術前に輸液による血清Na補正と水制限を行うも低Na血症の改善は認めなかった.腫瘍マーカーの値はAFP131ng/ml,CA19-9 719U/ml,SCC3.1ng/ml,CA125 345U/mlであった.右付属器切除,大網部分切除,腫大していた腸間膜リンパ節の生検施行.腫瘍は約11cm大,多房性,充実成分を有し,病理結果は未熟奇形腫,Grade2,生検リンパ節は陰性でpT1cNxM0であった.術後腫瘍マーカーは陰性化,血清Na値も自然に正常化した.術後化学療法としてBEP(bleomycin,etoposide,cisplatin)療法を3コース施行した.化学療法終了1年4ヵ月経過後も再発なく,外来に定期的に通院している.【考察】腫瘍摘出後,自然に低Na血症が改善したため,卵巣腫瘍が原因の低Na血症と考えられた.血清ADH値が正常だが低Na血症を呈する未熟奇形腫の報告があり,Vasopressin-like factorが原因と考えられている.稀な症例を経験したので文献的考察を加えて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 237-237, 2010


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