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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
胎児異常
・胎児卵巣腫瘍捻転による卵巣断裂:腫瘍「side change」現象の認識が診断への早道


奥野 さつき, 桑田 知之, 薄井 里英, 泉 章夫, 渡辺 尚, 松原 茂樹, 鈴木 光明
自治医科大学医学部産婦人科


胎児卵巣腫瘍は出生前診断されやすい胎児疾患で,日常の臨床でしばしば見られる.子宮内で卵巣腫瘍茎捻転がおこると,卵巣機能が廃絶してしまう可能性が示唆されてきた.茎捻転の程度に応じて,卵巣が断裂してしまう例も報告されている.左卵巣腫瘍茎捻転を超音波診断し,出生後に腫瘤を右骨盤腔に認めた.以上から卵巣腫瘍断裂と診断でき,出生後腹腔鏡下腫瘍摘出術が行われた.【症例】21才経産婦からの児.妊娠28週に近医で胎児卵巣腫瘍(simple cyst)が疑われ,29週に紹介受診.当院の超音波では,胎児左下腹部に43mm大のComplex cystを認め,腫瘍内部エコーが変化していた.この時点で卵巣腫瘍茎捻転による卵巣内出血を疑った.経過中,腫瘍位置は不変だった(左側).妊娠40週に経腟分娩した.出生後検査では腫瘍は反対側(右側)に位置していた.卵巣腫瘍茎捻転の後,断裂がおこって,腫瘍が左→右へ移動したと判断した.日齢4に腹腔鏡下腫瘍摘出が行われた.右卵巣は正常で左卵巣はなく,左卵巣腫瘍自然断裂と確診された.胎児卵巣腫瘍茎捻転の後に断裂が起こり,腫瘍が「動く」可能性がある.腫瘍内部エコー変化は茎捻転を示唆し,腫瘍位置変化は卵巣断裂を示唆する.胎児エコーでは腫瘍の位置(左右)が誤診される可能性があるため,実際に位置変化したのに,見逃されてしまうことがあり得る.近年,胎児卵巣腫瘍内容吸引が試行されている.その適応・手技は確立していないが,卵巣腫瘍の捻転や断裂をも防御する可能性がある.腫瘍の移動現象の同定は困難だが,左右逆転は簡単に認識できる.卵巣腫瘍の左右同定・記載は重要である.左右逆転現象(side change)は卵巣腫瘍断裂のサインである.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 247-247, 2010


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