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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
悪性腫瘍@
・正常大卵巣癌症候群と鑑別が困難であった左卵管癌肉腫の一例


竹島 和美, 佐藤 団, 時長 亜弥, 笠井 絢子, 高島 邦僚, 茶木 修, 中山 昌樹
横浜労災病院産婦人科


緒言;婦人科癌の中で卵管癌の占める割合は1%と少なく,中でも卵管癌肉腫は非常に稀な疾患である.我々は術前に正常大卵巣癌症候群の診断で開腹の結果,病理診断で左卵管癌肉腫と診断された1例を経験したので報告する.症例;65歳 1経妊1経産 少量の不正出血を主訴に前医受診.内膜細胞診疑陽性のため当院紹介受診となった.超音波診上中等度腹水貯留を認め,再度施行した内膜細胞診はClass2であったが,腫瘍マーカーがCA19-9 2406U/ml,CA125 2812U/mlと異常高値を示し,腹水細胞診がClass5であった.CT,MRIでは子宮は小筋腫が存在するだけで付属器腫大も認めなかったが,大網に網状影を認めた.正常大卵巣癌症候群を疑い開腹.4000mlの腹水貯留があり,両側付属器腫大なく,左卵管軽度腫大,子宮は小筋腫を認めるのみであった.子宮表面,ダグラス窩,膀胱子宮窩は播種像で強固に癒着.腹膜全般も肝臓の高さまで播種像を認め,大網は腫瘤で一塊となっていた.子宮,右付属器は強固な癒着で摘出不能であり左付属器,大網切除を行った.病理では左卵管癌肉腫の診断(上皮成分;低分化腺癌,肉腫成分;平滑筋肉腫)で左卵巣,大網には卵管腫瘍の上皮成分と考えられる腺癌の増殖を認めた.術後14病日よりmonthlyTC療法を開始.著効を認め,2コース施行後腫瘍マーカーは正常化しており経過良好である.結語;正常大卵巣癌症候群の術前診断で開腹した結果,左卵管癌肉腫の診断で術後TC療法著効した症例を経験した.正常大卵巣癌症候群は確定診断が困難で,化学療法を先行させる場合も多いが,全身状態良好ならば開腹による組織型の確認を先行させることも重要だと考える.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 266-266, 2010


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