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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
優秀演題賞候補(婦人科2)
腹式広汎性子宮頸部摘出術後における月経異常の検討


杉山 重里, 藤井 多久磨, 西尾 浩, 平尾 薫丸, 岩田 卓, 青木 大輔, 吉村 泰典
慶應義塾大学産婦人科


【目的】近年,初期の浸潤子宮頸癌に対して,妊孕能温存を目的とした腹式広汎性子宮頸部摘出術が行われている.本術式は癌の根治性を落とさず,子宮・卵巣の機能を保つことが課題となる.合併症としてみられる月経異常は,妊娠成立に対する障害となることがあり,本術式の意義に係わる問題となり得る.今回,当院にて本術式を施行した症例において術後の月経異常に関する検討を行った.【方法】2002年12月から2009年12月までに当院にて本術式を施行した91例のうち,術後に放射線照射や化学療法などの追加治療を行った13例を除外した78例を対象とした.術後経過観察中に月経異常を訴えた症例の頻度およびそれら症例の臨床像を後方視的に検討した.【結果】(1)対象症例の観察期間と年齢の中央値は,それぞれ25か月及び32歳であった.(2)術後に月経異常を訴えた症例は10例(12.8%)であり,無月経6例,過長月経2例,過少月経2例であった.それ以外の症例では術後1カ月以内に月経が再開し,その後の周期にも異常を認めなかった.(3)これら10例のうち,7例に頸管狭窄・閉鎖を認めた.(4)無月経の6症例のなかでホルモン剤に反応しない子宮性無月経は3症例(3.8%)であり,いずれも術後に穿刺ドレナージを要する重篤なリンパ嚢腫感染を認めていた.【結論】本術式後に月経異常を訴える症例が散見された.月経異常は複数の要因に起因するものと考えられ,術後1〜2年後に過長月経や過少月経を訴えるケースもあり,術直後から中・長期的にわたり慎重な経過観察が重要である.また,本術式による術後合併症として月経異常を生じ,子宮性無月経となった場合には妊孕能を損なうことから,術前に十分に説明する必要があると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 306-306, 2010


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