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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
優秀演題賞候補(産科2)
産婦人科以外を初診した異所性妊娠症例には出血多量例が多い―異所性妊娠65例の後方視的検討―


松本 直樹, 江良 澄子, 長田 まり絵, 鈴木 永純, 松本 智恵子, 高橋 幸男, 山下 恵一
深谷赤十字病院産婦人科


【緒言】異所性妊娠は産婦人科救急疾患として最も一般的な疾患であるが,今なお特に産婦人科以外の医師にとって大きなピットフォールでもある.このような視点から臨床救急における問題点を明らかにすることを目的とした.【方法】当院の原則的治療方針は異所性妊娠を強く疑う段階での試験開腹術・診断・病巣摘出術としている.過去8年間に当院で治療を行った異所性妊娠65例を後方視的に検討した.術前からの腹腔内出血と合わせた術中総出血量が1000ml以上であったケースを出血多量群とし各因子との関連を調べた.P<0.05を統計学的有意とした.【成績】年齢は19〜44歳,平均31歳.初診した科は産婦人科53例,他科12例.当科受診に至るまでに救急車搬送ありは13例.初診時の症状として無月経37例,腹痛33例,不正性器出血21例,ショック状態1例.診断過程の検査は血中hCG定量38例,子宮内容掻爬28例,ダグラス窩穿刺24例,CT・MRI10例.全例が試験開腹術を受け異所性妊娠が確定診断された.妊娠部位は卵管59例.破裂あり44例.卵管摘出術57例.総出血量は0〜2275ml,平均477ml.輸血実施9例.出血多量のリスク因子として単変量解析では他科を初診,救急車搬送あり,腹痛の症状が有意で(オッズ比11,5.5,4.2),多変量解析では他科を初診のみが有意であった(オッズ比19).他科を初診12例では平均出血量1023mlと多かった.また初診医師が妊娠可能性を考慮していなかったケースが3例あり,うち2例が帰宅指示を受けていた.【結論】他科を初診したケースは出血多量のハイリスクであった.診断の見逃しや遅れに伴う不幸な転帰を根絶するためには臨床救急において妊娠反応検査のルーチン化が必要であろう.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 310-310, 2010


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