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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
子宮内膜症
診断に苦慮した卵巣外子宮内膜症性嚢胞の2症例


高橋 千波, 小泉 美奈子, 藤本 晃久, 中澤 明里, 中尾 美木, 大須賀 穣, 百枝 幹雄, 矢野 哲, 武谷 雄二
東京大学産婦人科


【はじめに】子宮内膜症病巣が骨盤腹膜に存在することは多いが,嚢胞性腫瘤を形成することは稀である.今回骨盤腹膜に発生した内膜症性嚢胞の2症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.【症例】症例1は44歳0経妊0経産.半年前に出現した月経時の発熱と強い腹痛を主訴に当院を受診.超音波上子宮後壁に38×38mm大の嚢胞性腫瘤を認め,両側卵巣は正常所見であった.MRIでは子宮底部から突出する30mm大のT1T2高信号の嚢胞性腫瘤を認め嚢胞性子宮腺筋症が疑われた.GnRHa療法後に腹腔鏡下手術を施行.背側の骨盤腹膜に4cm大のチョコレート状の内容を有する嚢胞性腫瘤があり,子宮底部,虫垂,直腸表面との間に癒着を認め,病巣を摘出した.術後,月経随伴症状の著明な改善を認めた.症例2は45歳,0経妊0経産.月経随伴症状はなかったが,検診で多発子宮筋腫と左チョコレート嚢胞を指摘され,当科紹介受診された.内診で左付属器領域に軽度の圧痛があり,超音波上子宮底部に43×38mm大の嚢胞性腫瘤を認めた.MRIで左卵巣に接してT1T2高信号の嚢胞性腫瘤を認め,変性子宮筋腫か嚢胞性腫瘤が疑われ,腹腔鏡手術を施行.両側付属器は正常であり,子宮底部に3cm大の変性筋腫とそれに接する4cm大の内膜症性嚢胞を認めこれを摘出した.両症例とも摘出標本内に病理組織学的に内膜症組織が確認された.両症例とも手術歴はなく,病巣の他に内膜症性病変は存在せずrASRMスコアは低値であった.【考察】卵巣外子宮内膜症性嚢胞は画像上変性子宮筋腫や卵巣嚢胞と鑑別が困難な症例が多い.また悪性転化の報告もある.今回経験した2症例では診断及び治療のために腹腔鏡手術が有用であったと考える.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 313-313, 2010


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