関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
胎児・新生児
出生前診断された4p-症候群の一例


家坂 直子, 竹中 俊文, 高木 剛
群馬県立小児医療センター産科


【緒言】4p-症候群(Wolf-Hirshhorn-Syndrome以下WHS)の発症頻度は5万人に1人と言われており,4p16に局在するWHS責任領域が欠失することによって発症する.子宮内から始まる著しい成長障害,筋緊張低下,発達遅滞を特徴とし,その他にも骨格異常,先天性心疾患,聴覚障害,尿路奇形,脳の構造異常などの合併奇形をもつ.疾患自体による生命予後は比較的良好で,個々の予後は合併症の重症度による.【症例】29歳,0経妊0経産.既往歴,家族歴に特記すべきことはなし.自然妊娠.初期は他院にて妊婦健診施行されていたが,24週頃より胎児発育遅延(FGR)指摘され28週0日当科紹介受診.3.0SD程度のFGRと,ファロー四徴症が疑われた.羊水量は正常量.29週5日羊水穿刺施行.染色体Gバンド分染法よりWHSであることが確認された.経過中推定体重は-3〜4SD程度で推移.腎臓は低形成だが羊水量は正常範囲内.頭位のため自然陣発を待機していたところ,39週6日に骨盤位に変わっていため,40週1日選択的帝王切開術施行.2040g,女児,Apgar6-8.特徴的な顔貌,極型ファロー四徴症,腎低形成認めた.生後一ヶ月現在も入院にて心不全,尿濃縮障害に対し内科的加療中.【結語】WHSは高い確率でFGRとなるが,特徴的な超音波所見は少なく,出生前診断されない例も稀ではない.本症例ではFGRに加え,ファロー四徴症を認めたために出生前に羊水検査を行いWHSと診断できた.そのため出生前に十分な遺伝カウンセリングを行いながら,管理方針を決定することができた.WHSは比較的な稀な疾患ではあるが,FGRの原因の一つとして念頭に置いておかなければならない.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 323-323, 2010


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会