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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩1
塩酸リトドリン投与によると考えられる狭心症発作をきたした高血圧合併妊娠の1例


千葉 純子, 中島 義之, 草西 多香子, 諸岡 雅子, 都築 陽欧子, 本田 能久, 坂井 昌人, 正岡 直樹
東京女子医科大学八千代医療センター母性胎児科


塩酸リトドリンの母体への重篤な副作用として,肺水腫,横紋筋融解症,汎血球減少などがあるが,今回我々は,塩酸リトドリン投与が誘因と考えられる冠攣縮性狭心症発作をきたした切迫早産の1例を経験したので報告する.
症例は33歳2回経妊1回経産で喫煙歴のある妊婦.高血圧合併妊娠のため,ヒドララジンとαメチルドパ内服していたが,妊娠32週切迫早産のため,当院へ緊急母体搬送となった.前医より,塩酸リトドリン100μg/分点滴投与されてきたが,来院時すでに子宮口全開大であったため,塩酸リトドリン中止し,経腟分娩の方針とした.臍帯下垂があり,高度変動一過性徐脈の頻発を認め,胎児機能不全の適応にて,緊急帝王切開術を施行した.手術室入室時の心電図モニターにてST低下を認め,術中より胸痛が出現し,術後心電図では,II,III,aVF,V3-V6にてST低下を認め,硝酸イソソルビド投与を開始し,症状および心電図変化は改善した.術後の冠動脈造影では左冠動脈前下行枝に有意な狭窄はなく,左室造影も正常であり,冠攣縮誘発試験陽性であり,冠攣縮性狭心症と診断され,産褥11日目,塩酸ジルチアゼムおよび一硝酸イソソルビドの内服に変更し,退院となった.児は2,226g男児Apgar score 1分後5点(5分後8点),臍帯動脈pH 7.24で,未熟児のためNICU入院し,RDSを認めたが,経過順調である.
高血圧合併妊娠などの心血管系イベントの発生リスクが高い妊婦への塩酸リトドリンの急速な投与は慎重を要すると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 325-325, 2010


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