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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩1
大動脈弁機械弁置換術後に正常経腟分娩に至った一例


今井 一章1), 倉澤 健太郎1), 時長 亜弥1), 古野 敦子2), 山口 瑞穂1), 望月 昭彦1), 奥田 美加1), 高橋 恒男1), 平原 史樹3)
横浜市立大学附属市民総合周産期母子医療センター周産期センター1), 大和市立市民病院産婦人科2), 横浜市立大学産婦人科産婦人科3)


大動脈弁機械弁置換術後患者に,計画的抗凝固療法を行い正常経腟分娩に至った症例を経験したので報告する.【症例】24歳,1回経妊0回経産.0歳時川崎病に罹患し大動脈弁閉鎖不全症(AR)を発症,10歳時に大動脈弁機械弁置換術を施行され,以後ワーファリン4mg,塩酸チクロビン100mgによる抗凝固療法を受けていた.心機能に異常はなかった.22歳で結婚し,1回の自然流産後,当科妊娠前相談外来を受診.機械弁置換術後妊娠のリスクおよび抗凝固療法の選択につき情報提供を受けたのち妊娠した.5週1日より入院管理の上,ワーファリンからヘパリン持続静注に変更,15,000単位/日の投与によりAPTT値60前後で推移した.12週5日より再度ワーファリンおよびパナルジンの内服を開始,ヘパリンを漸減中止した.分娩方法に関しては協議の上,分娩前にヘパリンへ変更し経腟分娩を待機する方針となり,35週5日より再入院しヘパリン導入,27,000単位/日まで増量しコントロールした.36週6日前期破水,翌37週0日オキシトシンによる分娩誘発を開始,子宮口全開大時にヘパリンを中止したが,予想以上の早い経過で28分後に正常経腟分娩となった.児娩出後オキシトシンにより良好な子宮収縮が得られ,会陰裂傷からの出血も少量で,分娩時出血量は126gであった.産褥1日目にワーファリン4mgの内服を開始,母乳育児を継続した.児は2,570g,APS9/9,UApH7.350,外表奇形を認めず,高ビリルビン血症に対し光線療法を施行し,日齢6で母児ともに退院した.【考察】機械弁置換術後の女性において,綿密な周産期管理による経腟分娩も選択肢のひとつとなり得ると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 326-326, 2010


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