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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩3
妊娠後期に母体の全身性炎症反応症候群をきたした2症例


草西 多香子, 中島 義之, 千葉 純子, 諸岡 雅子, 都築 陽欧子, 本田 能久, 坂井 昌人, 正岡 直樹
東京女子医科大学八千代医療センター母性胎児科


全身性炎症反応症候群(SIRS)は,種々の臨床的侵襲による全身性炎症反応の総称で,多臓器不全へと進行すると救命率が低下するとされる.今回,妊娠後期に母体にSIRSを発症した2症例を経験したので報告する.
症例1は34歳1回経産婦.慢性関節リウマチのためプレドニゾロン内服していた.妊娠30週,前置胎盤出血のため母体搬送となり,tocolysisを行った.妊娠32週より尿路感染症を発症し,妊娠33週に38.7度の発熱をし,翌朝には体温34度,心拍数94回/分,呼吸数20回/分,白血球28,000/μL,CRP 19.79mg/dLとSIRSの診断基準を満たした.FHRMは基線90bpmだったが,基線細変動と一過性頻脈は保たれていた.母体意識・血圧とも低下し,敗血症性ショックを認めたため,緊急帝王切開施行し,2,369gの男児Apgar score 1分後9点(5分後10点)を娩出した.臍帯動脈血pH 7.36で,新生児感染は認めず,羊水中Interleukin-6は194pg/mL,胎盤病理組織検査でも絨毛羊膜炎は認めなかった.
症例2は34歳初産婦.子宮頸管縫縮術後,尿路感染症のため,妊娠32週に40度の発熱をみ,母体搬送入院となった.入院時体温35.5度,心拍数100回/分,呼吸数20回/分,白血球12,060/μL,CRP 27.40mg/dLとSIRの診断基準を満たした.FHRMは基線105bpmだったが,基線細変動と一過性頻脈は保たれていた.免疫グロブリン投与にてSIRSは改善し,基線も140bpmに上昇した.妊娠38週,骨盤位にて選択帝王切開施行,3,208gの女児Apgar score 1分後7点(5分後9点)を娩出した.Blanc分類I度の絨毛羊膜炎を認めたが,新生児感染は認めなかった.
母体SIRSで低体温を認めた際,胎児徐脈を呈するが,non-reassuring fetal statusの診断には慎重を要する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 329-329, 2010


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