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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩3
鎌状赤血球症合併妊娠の一例


大橋 奈尾子, 嘉本 寛江, 永松 健, 吉田 志朗, 兵藤 博信, 大須賀 穣, 亀井 良政, 藤井 知行, 上妻 志郎, 武谷 雄二
東京大学産婦人科


鎌状赤血球症はヘモグロビン異常症の一つで,慢性溶血性貧血と末梢血管閉塞によっておこる疼痛発作を特徴とする遺伝性疾患である.わが国では非常に稀な疾患であるが,本邦に居住する外国人の増加を考えると,この疾患を理解することは重要である.今回,鎌状赤血球症を合併した初産婦が妊娠・分娩に至った一例を経験した.症例は26歳,ガーナ人,1経妊0経産.幼少時より鎌状赤血球症の診断を受けていた.妊娠・分娩管理目的に妊娠28週2日当院を紹介受診した.初診時Hb8.0g/dlであり,葉酸の欠乏がみられたため補充を行った.妊娠経過は順調であり,児の発育も良好であった.妊娠37週4日入院,Hb7.6g/dlであり,分娩に備え濃厚赤血球4単位の輸血を行い分娩誘発とした.分娩進行は順調で,特に疼痛発作等の症状は認められなかった.分娩時出血量は241mlであり,児は2720g,Apgar Scoreは9点(1分),9点(5分)であった.分娩後の母体の経過は良好で,児は新生児黄疸を認めたため,4日間の光線療法を施行した.児に貧血はみられず,末梢血像では鎌状赤血球は認められなかった.今回の症例では児は良好に発育し,正期産にて分娩に至ったが,鎌状赤血球症合併妊婦では流早産や児の発育不全のリスクが高まるとの報告もある.母体の合併症状や児の発育・状態に注意し,慎重な妊娠・分娩管理が必要とされる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 331-331, 2010


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