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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩4
新型インフルエンザワクチン予防接種後にGuillain-Barre症候群(GBS)を発症した妊婦の一例


魚谷 隆弘1), 関 博之2), 馬場 一憲1), 高木 健次郎2), 村山 敬彦1), 高井 泰2), 赤堀 太一2)
埼玉医科大学総合医療センター周産期センター1), 埼玉医科大学総合医療センター産婦人科2)


【緒言】妊婦の新型インフルエンザ(H1N1)罹患は重症化リスクが高く,WHOでは妊婦がワクチン優先接種の対象となっている.我々は,ワクチン接種後9日目にGBSを発症した妊婦の症例を経験したので,文献的考察とともに報告する.【症例】41歳,1回経妊1回経産.既往症なし.妊娠23週4日,新型インフルエンザワクチン予防接種施行.24週6日,両上肢遠位部に痺れが出現.25週0日,両下腿の痺れ・脱力感が出現.25週1日,感冒様症状(咽頭痛・咳嗽)を自覚.25週3日,下肢脱力感が進行.この間前医を3回受診するも,緊急性なしとの判断で帰宅.25週5日,両上肢の脱力が増悪,自立歩行不能となり管理入院.両上下肢温痛覚低下を認め,呼吸苦症状が出現したため当院へ母体搬送.神経内科にコンサルトしGBSの診断.マイコプラズマ・カンピロバクター等の先行感染を示唆する所見や検査データはなし.25週6日,γグロブリン(22.5g×5日)開始.血栓症予防でヘパリン皮下注射開始.26週0日,Sp02が80%へ低下,呼吸筋麻痺を認め挿管管理.26週5日,γグロブリン再投与.28週4日,気管切開術施行.28週6日,イレウスを発症しイレウス管挿入.29週1日,γグロブリン再々投与.30週4日,人工呼吸器離脱.リハビリを開始し歩行可能となり,イレウスも改善.36週6日に陣発し,翌日経腟分娩で3372gの男児を得た.リハビリを継続し産褥12日目に退院.【結語】1976年,米国でH1N1型インフルエンザワクチン接種後にGBSが有意に増加したという報告があるが,今回のワクチンではそのような報告はない.GBSを発症しても早期に適切な治療がなされれば妊娠継続も可能であるが,長期臥床に伴う合併症の発症に留意すべきと思われる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 333-333, 2010


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